「大型店にお客さんをもって行かれた」
「人の流れが大型店に向かうようになって・・・」
「今はどこでも、インターネットで安いからね~・・・」
地域店経営者の方からよく聞かれる声(愚痴?)です。
確かに今の時代は、大型店やインターネット主流かもしれません。
でも私たちは、そこにこそ、地域店にとって大きなチャンスがあると考えています。
ちょっと視点を変えてみましょう。
とあるメーカーの社長になったと思ってください。
そのメーカーが作っている商品は健康機器です。
そのメーカーの商品の、ひざに着けるサポーターは、
ひざが痛い人が、その商品を使うと、およそ8割の人が効果を感じられます。
痛みが和らいだり、なくなったりします。
購入されたほとんどすべての方は大満足されている、
商品の品質、効果は自信を持って販売できる商品です。
ただ1つ、その商品を販売する上で問題点がありました。
それは、「説明しないと売れない」ということ。
量販店の棚に並べておくだけでは、
いくらPOPを工夫したとしても、ほとんど売れない商品なんです。
さて、あなたは、そんなメーカーの社長として、この商品をどうやって売りますか?
今の流通の主流である、大型店・量販店は、
もともと、お客様に自分で商品を選んでもらうことが前提の、セルフ型の店です。
大型店・量販店は、「売るのに説明が必要な商品(説明型商品)」を売るのは苦手です。
では他に、どんな流通があるでしょうか?
1つは、通販という手がありますね。
通販でも、1つ1つの商品をしっかりと説明できる通販。
でもそういった販売力・説明力のある通販会社に商品を取り扱ってもらうのは、かなり狭き門です。
自社で通販を立ち上げるという方法もありますが、
そのためには、人、モノ、金、ノウハウなど、様々な経営資源が必要です。
それに、通販で実際にモノを買う人は、やはり一部の人に限られます。
また、通販では売りにくい商品っていうのもあります。
やはり店舗流通を考えたいところ。
店舗で、大型店のように売場に並べるだけではなく、
お客様に対して、商品の良さ、商品価値、使い方などを
しっかりと伝えてくれる、そんな流通があるでしょうか?
百貨店はどうでしょう?
今、百貨店でそういた商品を売ってもらうとすると、
多くの場合、販売員を派遣しないといけません。
そうすると人件費がかかりますし、催事の時だけの一時的な販売となります。
このように、今の日本には、
本当に良い商品なんだけど、売るためには説明が必要な商品」を、売ってくれる流通がないんです。
今の日本の流通は、
大型店・量販店や通販に偏りすぎていると思いませんか。
本来、メーカーが良い商品をつくって、
その商品の価値をお客様に伝えることこそ、流通業の役割だったはずです。
その役割が、非常に弱くなっていると思いませんか?
流通業全体として、モノを流通させるだけ、モノを届けるだけの役割になっていないでしょうか?
ここに、大きなチャンスがあるんです。
「商品が本来持っている価値が、お客様に届かない」
それが今の流通の現状だと思います。
説明型商品の、商品価値をお客様にしっかりと伝えられる流通。
そんな流通が、今、求められています。
そしてそれができるのは、大型店・量販店ではありません。
まさに地域店の得意とするところだと思います。
このように考えると、時代は今、地域店を求めているんです。
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