「ためしてねっとって、早い話が卸売りですね。」
事業の説明をした時、そう言われることがあります。
いやいや、そうではないんです。
商取引の面では、卸売業のようになりますが、ちょっと違うんです。
そもそも、「モノ」が売れない時代と言われる今、
単にメーカーから「モノ」を仕入れて、利益を乗せて小売店に卸す
という事業に意味があるんでしょうか。
私たちは元々「卸売業」が本業ですので、その点については、ずっと前から真剣に考えています。
モノが不足していて、買いたい人がたくさんいた時代は、
メーカーから仕入れて、適切な店に、適切な量を、適切なタイミングで卸すことに意味があった時代です。
モノを売れる場所へ動かすことで、収益が上げられた時代です。
従来の「卸売業」に存在価値があった時代です。
時代は変わって、今、モノを単に移動させても、
メーカーの倉庫にあるか、問屋の倉庫にあるか、小売店の棚や倉庫にあるかの違いだけ。
モノがどこにあろうが、置いておくだけじゃ売れない時代です。
だから、モノを「仕入れて卸す」ことには、意味がない時代だと思うんです。
あっ、あくまでも僕の個人的見解ですよ。
じゃあ、僕たちがやっている事業は何なのか?今の社会で意味があるのか?
これはとても深~い質問だと思うんですが、僕たちは次のように考えています。
「●●という商品があって、Aさんという人に買って使ってもらったら、Aさんが今までより幸せになれる」
という『モノと人の組み合わせ』があったとすると、その組み合わせをつくること、つながるべきモノと人をつなぐことが、流通業の仕事・役割だと考えています。
流通業各社が、その「モノと人の組み合わせ」を、
店頭でつないだり、テレビを通じてつないだり、
インターネットでつないだりするわけですが、
モノも情報も溢れていて、
Aさんが大きなショッピングセンターに行っても、
どれが自分とつながるべきモノなのか分りません。
テレビ通販や楽天を見ても、よく分りません。
そういう人が少なくないと思います。
そんな時、Aさんと強いつながり・絆を持っている、Aさんが住む地域のお店があれば、
そのお店を通じて、つながるべき商品を、教えてあげることができるんです。
地域密着の小さなお店は、今の時代、そういう役割が担えるし、そういう期待もかかっています。
ためしてねっとは、そのための支援をする、サービス業だと思っているんですが、そんな事業が、
経済産業省のモデル事業に選ばれるということは、国が地域のお店に、そういうことを期待しているということです。
そういう方向へ、社会が変化していくべきだと思っているということです。
話を元に戻しますが、今の時代に、
単にモノを仕入れてお店に商品を卸すだけでは、意味がありません。
それでは、「つながるべきモノと人」がつながりません。
「つながるべきモノと人」がつながるために、その商品の価値を分りやすく見えるようにして、
それが伝わりやすい工夫をして、届けるべき人に届けられるお店に提供するんです。
そしてまずは、その情報を届けてもらって、安心して買ったり試したりできるようにして、初めて、つながるんです。
手間ひまかかるようですが、そうじゃないとつながらない「モノと人」の組み合わせが多いんです。
そしてそういう組み合わせこそ、つながったらとても喜ばれるんです。
そこで、「しあわせ」が生まれるんです。
買った人にも、売った人にも、つくった人にも、幸せが広がるんです。
それが、ためしてねっとという事業を通じて、僕たちがやろうとしていることです。
地域のお店の皆さんと一緒に、目指しているビジョンです。
この話は、延々と書き続けることができるくらいに、
深~いテーマなので、今日はこの辺にしておきます。
まとめです。
【笑売繁盛のルール】
これからの流通業は、モノを売るのが仕事ではない。
モノを通じて、幸せを作り出すのが仕事である。
流通業とは、「お客様のしあわせ製造業」である。