Read Article

第6話 「客の7段階進化」

第6話 「客の7段階進化」

サトシによるワクワク系マーケティング講座が終わった翌日、タケシは行動を開始した。

タケシはまず「8代目タケシ日記」という世間話や自分のこと、大福のことなどを書いたニュースレターを毎週発行し、地域の人に配ったりお店に貼ることにした。次に顧客名簿を作るためにポイントカードを作り、常連さんとそうでもない人の把握をできるようにした。さらに1ヶ月限定で大福を5個買うごとに1個サービスというキャンペーンを行った。


そして地域の家を回ってニュースレターとキャンペーンのチラシをポストに入れてまわった。

すると、開始して最初の1週間で昔のお客さんが来てくれるようになり、だんだんと新しいお客さんも来るようになった。そしてキャンペーン期間が終わるころには先月の3倍の人が来てくれていた。しかし、タケシはこんなにお客さんが来てくれたのはキャンペーンのおかげで長期的には続かないのではと不安だった。

そんな中、タケシはお客さんの中にニュースレターをしっかり呼んでくれている人が多く、しゃべりかけてくれる方も多いことに気づいた。また、年齢層が高い影響もあってか、お客さんどうしでもおしゃべりしをている姿が多く見れた。

そこで、店内に休憩スペースを作って待っている方やのんびり見られている方にお茶を配り、購入したものをその場で食べれるようにした。するとそのスペースはいつの間にかみんなの憩いの場になっていった。その影響もあったのか2ヶ月目には先月のさらに2倍ものお客さんが来てくれた。また、リピート率も高く、毎日来てお店で食べれるお客さんもいれば、孫たちが遊びに来るからと大量に買っていかれる方いた。

3ヶ月目はお店の前にPOP看板を置いたところ、またお客さんの数は増えた。

 

タケシ:「ありがとうございました。またのご来店をおまちしております。」


サトシ:「ふー、今日もいそがしかったなぁ。」

pika2


タケシ:「そうだね。でもさ、おれこの3ヶ月はさ、今までのことが嘘のようにすごく楽しかった。売る工夫をすればするほどお客さんが来てくれるなんて初めてだった。全てワクワク系の考え方を教えてくれたおかげだよ。ありがとう、サトシ」


サトシ:「ふふ、おれは大したことしてないぜ。タケシががんばっているからだよ。それにしてもこのお店のリピート客もふえてきたなぁ。」


タケシ:「うん、毎日来る人とかもいるしね。」


サトシ:「まんじゅう1つでずっと居座っているけどな(笑)よし、今日の仕事も終わったし、タケシにまた講義をしてやるよ。」


タケシ:「おっこの感じひさしぶりだなあ」


サトシ:「これも今後のためになるからしっかり聞いとけよ(たぶん最後になるからな・・・)


タケシ:「ん?最後なんかいった?」


サトシ:「なんもいってないよー。じゃあ、いくぜ!!今回するのは『客の7段階進化』についてだ。」


タケシ:「お客さんが進化していくの?どうゆう・・・」


サトシ:「まあ聞け、お客さんは次の順番で七段階の進化を遂げるんだ。


①    あなたの存在を知らない人
②    見込み入客
③    トライアル客
④    再トライアル客
⑤    リピート客
⑥    上得意客(顧客)
⑦    ファン


①~②はその名のとおりで③は初めてお店に来てくれた客、④は2回目来てくれた人だな。まあ業種によって捕らえ方は違うが、⑤は3回以上来てくれた人の中でも定期的に来てくれる人、⑥は頻繁に来てくれる客、⑦は店のことが大好きで他の人に宣伝をしてくれたりなど協力をしてくれる客ってかんじだな。」


タケシ:「なるほどうちにはまだファンはいないな。よく来る上得意客はすでに10人ほどいるかなぁ」


サトシ:「ここで重要なのは上得意客はひいきする必要があるってことだな。」


タケシ:「ひいきしていいの?」


サトシ:「まあまあ説明するから。あのさー、いまこのお店の顧客リストは何人?」


タケシ:「んー全部あわせたら約500人かな。」


サトシ:「じゃあ、このお店の月の売り上げが100万円だとするよ。そしたら一人あたりの月利用額はいくらだ?」


タケシ:「うーんと・・・2000円かなぁ」


サトシ:「でもさ、本当にみんな2000円ずつ買ってくれているわけじゃないだろ?1000円の人がいれば1万円の人もいるし、0円の人もいる。そんな人たちのトータルが100万円なわけだ。では、ここで問題です。『客の7段階進化』の①~⑥のうちいなくなったら売り上げが減るのはどれでしょうか?まあ、⑦はファンだから例外としとくね。」


タケシ:「そりゃあ⑥の上得意客でしょう」


サトシ:「正解!!この上得意客は流出させちゃだめなんだ。客が流出するのは当たり前、しかしそれを最低限にとどめたい。そしていつかファンになってくれたら最高だよね。そのために上得意客をひいきすることは全然いやらしいことではなくむしろいいことなんだよ。お客さんにも喜んでもらえるしね。」

 

takeshi

タケシ:「なるほど・・・」


サトシ:「でもまあ今の段階で自然とタケシはそれができているよね。かといって新しいお客さんを軽率に扱うのではなく平等に接することができているし。」


タケシ:「そうなのかなぁ。ありがとう、これからはさらにそこにも力をいれていくぜ。」

 

その後、タケシはポイントカードが10枚目以上になっている人たちには常に大福5個以上で1個おまけをするサービスをすることにした。さらにお茶をしている常連さんには他のお菓子もあげたり、新商品の試食をしてもらったりした。

ワクワク系をはじめてから波はあるものの売り上げは順調に上がっていき、
半年たったころには剛田屋の売り上げは初めの20倍になっていた。

そんなある日のこと

 

サトシ:「いやーほんと順調、すげえじゃん、タケシ。もうおれはいらないなぁ。」


タケシ:「なにいってんだよ。おまえのおかげじゃないか。」

(ガラガラ~)

サトシタケシ:「「いらっしゃいませ!!」」

 

satoshi

シゲル:「ハーハッハ!相変わらずおめでたいやつらだなぁ。こんだけで勝ったつもりかい?」


タケシ:「シ・シゲル!?」


サトシ:「なんだよシゲル。勝ったとか思ってないし、最初から勝負しようなんてなんて思ってないぜ。そもそもうちは大福でお前のところは和菓子だろ?」


シゲル:「はっ、そんな甘っちょろいことよく言ってられるなぁ。同じ日本のお菓子店どうし、店にくる客層はかぶるだろう。まあ、うちには若いお客さんも来るけどな。そしてさらに・・・ふふふ」


サトシ:「さらになんだよ!!」


シゲル:「うちは来週から『店内全商品100円セール』にはいる。お前らのところに行くようになった少しばかりの客も奪ってやるから覚悟しておけよ。じゃあな。」

 

そういい残してシゲルは去っていった。

 

サトシ:「あいつは宣伝しに来たのか?」


タケシ:「く・・・でもあいつの言うことも確かなんだ。顧客名簿を見る限りでもうちには若い人たちはあまりこないし、あんなセールされたら・・・」


サトシ:「・・・タケシ、本気でそれ思っているの?」


タケシ:「え?いや、そりゃ、ねえ」

 

サトシ:「バカやろう!!」

photo1 (10)

 

ガッ!!(サトシがタケシを殴る音)

 

タケシ:「いってえなぁ・・・なにするんだよ!?」

 

サトシ:「確かにシゲルの店のほうが客もきている。でも、おれらはあいつの店より売れたいと思って商売をしているわけじゃないし、売り方も違う。俺らが目指しているのは人生の充実への支援をする人にフォーカスした商売だろ?」

 

タケシ:「そうだなぁ・・・ありがとうサトシ、目が覚めたぜ。何か大切なものを見失うところだったよ。俺はこれからも人生の充実への支援をする人にフォーカスした商売をしつづけるぜ」


サトシ:「タケシ、わかってくれればいいんだ。殴ったりしてすまなかった・・・ふふ、もうここに俺は必要ないな。」


タケシ:「えっ!?」


サトシ:「俺はもともとワクワク系マーケティングを世の中に広めるために旅に出たんだ。その役目が終わった今、ここにいる意味はもうない。ありがとう、タケシ。おまえと一緒に大福を売れて楽しかったぜ。」


タケシ:「そんな・・・突然すぎる。行かないでくれ、おれ1人じゃ・・・」


サトシ:「無理じゃない。それに前からそろそろ別れを切り出さないとと思ってたんだ。それなのにお前と一緒に商売をするのが楽しくて・・・タケシ、おれは最初に教えただけであとはほとんどお前1人でやっていたじゃないか。お前ならできる。」


タケシ:「サトシ・・・わかった。今まで本当にありがとう。俺、お前に教わったこと絶対に忘れないよ。」


サトシ:「おう、いくぜピカチュウ!!」


ピカチュウ:「ピッカァ!!」


タケシ:「じゃあな~体には気をつけろよ~。」


サトシ:「タケシも元気でな~」

photo1 (11)

 

こうしてタケシの店に活気を取り戻し、新たなる旅たちにでたサトシとピカチュウ
タケシだけでなく2人もここで大きく成長した
出会いもあれば別れもある・・・それが旅
2人の旅はもうしばらく続く

To be continued・・・

次回予告
次に訪れた町には小さな電器屋があった。その近くには大型電器店があるにもかかわらずそこは大盛況している様子。不思議に思った二人がお店に入ってみるとそこには・・・次回「カスミの電器屋」・・・こうご期待

 

NEXT >> 第7話 「カスミの電器屋」

 

参考文献

出版社:角川書店

題名:「買いたい!」のスイッチを押す方法

著者:小阪裕司

DVD:ワクワク系マーケティング(作者は上と同じ)

Return Top